診療支援
治療

低血糖症
hypoglycemia
後藤 広昌
(順天堂大学大学院准教授・代謝内分泌内科学)
綿田 裕孝
(順天堂大学大学院教授・代謝内分泌内科学)

疾患を疑うポイント

●糖尿病治療薬による薬剤性低血糖症の頻度が圧倒的に多い.

●振戦,頻脈,不安感,空腹感,発汗などの自律神経症状で発症し,重篤な低血糖では眠気,意識障害などの中枢神経症状も合併する.単純糖質の投与によって症状が迅速に回復するのが特徴である.

学びのポイント

●意識障害を引き起こす多くの病態のなかで,診断が遅れると重篤かつ不可逆的な脳障害が生じるものの,迅速な診断と治療によって回復し得る病態であることから意識障害を診たらまず血糖値を測定すべきである.

▼定義

 血糖値は静脈血漿中のブドウ糖濃度(plasma glucose concentrations)と定義される.低血糖症は血糖値の低下に伴う自律神経または中枢神経症状をきたした状態と定義される.通常は血糖値が55mg/dL以下に至ると自覚症状を生じるが,患者の基礎疾患や病態により症状出現に至る血糖値は変動しうる.

▼病態生理・原因

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