診療支援
治療

(2)ターナー症候群
Turner syndrome
久具 宏司
(都立墨東病院・産婦人科部長)

▼定義

 Turnerにより1938年に報告された,低身長と性機能不全のほか,特徴的な身体所見を呈する症候群.疾患の本態は性染色体の異常であり,その異常は,通常2本存在するX染色体のうちの1本が完全に欠損するか,または部分的に欠損する構造異常,またはこれらを含むモザイクである.X染色体の構造異常は多くの場合,短腕を欠損する.

▼病態

‍ 低身長性機能の低下を主たる症状とするが,ほかにもさまざまな身体的特徴,合併症を有することが知られている.翼状頸,外反肘,盾状胸,漏斗胸,高口蓋,中手骨短縮や,心・大血管奇形,腎奇形,糖尿病,甲状腺機能異常などである.また,大動脈解離は,特に生殖年齢に発症しやすい重篤な合併症である(図7-41).性機能低下や,臓器奇形,合併症は,核型が45,Xの場合に,それ以外の核型の例に比し,頻度が高い.不妊治療により妊娠成立が見込まれ,核型によっては無治療での妊娠の可能性

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