診療支援
治療

2 多腺性自己免疫症候群
autoimmune polyglandular syndrome(APS)
後藤 孔郎
(大分大学講師・内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学)

疾患を疑うポイント

●数種の内分泌臓器能の連続的または同時的な異常を認める.

学びのポイント

●APSの発症には各内分泌臓器に対するさまざまな自己抗体が関連しており,それら自己抗体と関連した臨床症状が現れてくる.

●治療として複数のホルモン補充を行う際には,相互作用が生じ治療が複雑になることがある.

▼定義

 自己免疫疾患に起因した複数の内分泌疾患の組合せからなる一連の症候群.

▼病態

 本症候群は,1型,2型,3型,4型の4つの型,さらに広義としてX連鎖劣性の多腺性内分泌不全症および自己免疫性腸症を伴う免疫調節異常症(immune dysregulation,polyendocrinopathy,enteropathy,X-linked:IPEX症候群)に臨床分類されている(表7-57)

●APS1型:小児期(特に3~5歳)に発症し,粘膜皮膚カンジダ症,副甲状腺機能低下症,Addison(アジソン)病

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