診療支援
治療

【1】特発性血小板減少性紫斑病
idiopathic thrombocytopenic purpura(ITP)
宮川 義隆
(埼玉医科大学病院・総合診療内科(血液)教授)

疾患を疑うポイント

●原因不明の血小板減少症.

●紫斑,鼻血,過多月経などを認める.

学びのポイント

●自己抗体による血小板寿命の短縮と巨核球の造血不全により血小板が減少する.

●小児例の多くは自然に治るが,成人例は慢性化する.

●脾臓摘出術により約7割の患者に根治を期待できる.

▼定義

‍ 血小板数が10万/μL以下に減少する原因不明の自己免疫疾患.免疫性血小板減少症(immune thrombocytopenia:ITP)ともよぶ.

▼病態

 自己抗体により血小板の破壊が亢進する.巨核球造血の抑制による血小板の産生障害も認める.これにより血小板数が10万/μL以下に低下する.

▼疫学

 国内の患者数は約24,000人.毎年約3,000人が発症.成人例では女性が男性よりも多い.5歳以下の小児,女性は30歳代,男性は高齢者に多い.

▼分類

 血小板減少の診断時期により,新規診断例(0~3か月),移行期(3~12か月)

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