学びのポイント
●ヘパリンと血小板第4因子(PF4)の複合体に対する自己抗体が原因.
●ヘパリン投与開始後5~10日で発症することが多い.
●静脈血栓と動脈血栓のいずれも起こりえる.
●HITを疑えばヘパリンを速やかに中止する.
●ヘパリン再投与は禁忌.
▼定義
ヘパリン投与中の患者の一部に発症する血小板減少症.
▼病態
ヘパリンと血小板第4因子の複合体に対する自己抗体が,血小板と血管内皮を刺激して血小板減少と血栓症を誘発する.
▼疫学
正確な患者数は不明.ヘパリン投与患者の数%に合併する.
▼分類
非免疫学的機序で発症するⅠ型は,軽症であり原則として無症状である.本項で扱う免疫学的機序で発症するⅡ型は,ヘパリンと血小板第4因子に対する自己抗体が原因であり,血栓症を合併して重篤化することがある.
▼診断
➊臨床的診断
ヘパリ
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