疾患を疑うポイント
●出血症状や臓器症状といった臨床症状出現後の診断では手遅れになる.
●血小板数低下(造血障害症例を除く),FDP上昇がみられれば,DICの可能性がある.
学びのポイント
●DICの診断は血液検査(血小板数,FDP,D-ダイマー,フィブリノゲン,PTなど)で行うが,より適切な治療選択のためには,TAT,PICなどで病型分類を行う.
●最も基本的な血液凝固検査であるPT,APTTのみでのDIC診断はまず不可能である.
▼定義
基礎疾患の存在下に全身性持続性の著しい凝固活性化をきたし,細小血管内に微小血栓が多発する重篤な病態.凝固活性化とともに線溶活性化(血栓を溶解する機序)がみられるが,その程度は基礎疾患により相当な差違がみられる.進行すると血小板や凝固因子といった止血因子が低下し,消費性凝固障害の病態となる.DICの二大症状は,出血症状と臓器症状であるが,臨床症状が出現すると予後はき