診療支援
治療

【15】骨髄線維症
myelofibrosis
幣 光太郎
(宮崎大学・内科学(消化器血液学))

疾患を疑うポイント

●骨髄の線維化に伴い貧血が出現し,代償的に造血の場となる脾臓は高度に腫大し腹満感が自覚される.骨髄検査では吸引採取不能(dry tap)が多く,末梢血では白赤芽球症や涙滴赤血球を認める.

学びのポイント

●PMFでは,遺伝子変異によるTPO受容体シグナルの活性化により巨核球が腫瘍性に増加する.

●PMFの脾腫と全身症状にはJAK2阻害薬が有効であり,高リスク患者の予後を改善する.

▼定義

 骨髄線維症は,骨髄に線維芽細胞の増生とコラーゲン線維の沈着をみる疾患である.原発性骨髄線維症(primary myelofibrosis:PMF)と,PMFを除く造血器腫瘍,固形腫瘍,感染症などに起因する二次性骨髄線維症とがある.

 PMFでは造血幹細胞に生じた遺伝子変異により巨核球,顆粒球が増加する.骨髄線維化の進行は高度の肝脾腫,白赤芽球症をもたらす.9割弱の症例にJAK2CALRMPL

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