疾患を疑うポイント
●さまざまな疾患,病態を含んだ疾患群の総称であり,診断後は適切に原疾患を鑑別・診断する必要がある.
●HUS,aHUSは小児での発症が多い傾向にはあるが,高齢者まで幅広く発症する可能性のある疾患.
▼定義
全身諸臓器の微小血管の血栓と血管内皮障害を呈する病態を総称した,元来は病理学的診断名.これは①微小血管症性溶血性貧血,②消費性血小板減少,③微小血管内血小板血栓による臓器機能障害の三徴からなる疾患群の総称である.
▼病態,分類(図9-50図)
このなかで,溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome:HUS)は,腸管出血性大腸菌感染症が産生する志賀毒素(Shiga toxin producing Escherichia coli:STEC)により発症するTMAである(STEC-HUS).血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thromboc