疾患を疑うポイント
●腎病変のほか,全身症状(発熱,紫斑,しびれなど)や臓器病変(肺,消化管,中枢神経など)を伴うことがある.特に末梢神経の病変が90%以上にみられるのが特徴であり,肺の病変も比較的多い.
●腎病変はMPA,GPAに比べて少ない(10~20%)が,合併すれば同様のRPGNの経過をとる.
●ANCA陽性なのは数程度であり,そのほとんどはMPO-ANCAの陽性例である.
学びのポイント
●小型血管炎の1つで,ANCA関連血管炎に分類される.
▼定義
小型血管を侵すANCA関連血管炎の1つ.EGPAは,従来アレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis:AGA)あるいはChurg-Strauss(チャーグ-ストラウス)症候群(Churg-Strauss syndrome:CSS)とよばれてきた血管炎症候群である.
▼病態
原因は不明.
▼疫学
30~60歳の女性に好発し,男:女=4:6でやや女性に多い.
▼症状・所見
主要臨床症状は,好酸球増多や血管炎に伴うものである.先行症状として気管支炎喘息やアレルギー性鼻炎がみられる.それらと血管炎によるものが主要臨床症状である.
血管炎症状として,発熱,体重減少,末梢神経炎(多発性単神経炎),筋痛・関節痛,紫斑,肺の網状陰影や小結節状陰影,胃・腸の消化管出血,心筋梗塞や心外膜炎,脳梗塞・脳出血などがみられる.
▼検査所見
血中の好酸球増加以外に,IgE高値がみられる.IgG高値,リウマトイド因子陽性のことがある.ANCAのうち,MPO-ANCAが30~50%の症例で検出される.
腎炎性尿所見,腎機能低下のほか,肺に浸潤影や結節がみられることがある.
▼診断
診断は厚生労働省の診断基準に従う.すなわち,①先行する気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎,②血中の好酸球の増加,③血管炎症状,の3項目による.MP
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