診療支援
治療

【6】痛風・高尿酸血症に伴う腎病変(痛風腎)
gouty nephropathy
大野 岩男
(東京慈恵会医科大学客員教授)

▼定義

 高尿酸血症による腎障害は,白血病などの治療の際に大量の細胞破壊などによる急激な尿酸の産生増加により腎からの尿酸排泄量が増加し,尿酸が尿細管腔の閉塞を起こし,時に腎不全に陥ることもある尿酸性腎症(uric acid nephropathy)と,高尿酸血症が長期間持続して尿酸塩結晶が尿細管および間質に析出・沈着することにより起こる尿酸塩性腎症(urate nephropathy)とに分類される.痛風腎は,尿酸塩性腎症の範疇に入り,狭義では腎実質内に尿酸塩の沈着を認めた場合に定義されるが,最近では,痛風に高率に合併する高血圧,糖・脂質代謝異常などによる腎障害も含めて,原発性痛風に合併する腎障害を広義に痛風腎と定義されていることが多い.

▼病態

 痛風による腎障害の発症・進展の機序は,高尿酸血症および高尿酸尿症に伴い腎髄質を中心に尿酸,尿酸塩結晶が尿細管管腔内および間質に析出することが主因の1

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