疾患を疑うポイント
●成人男性における緩徐進行性の筋力低下,筋萎縮.
●高CK血症,軽度肝機能障害.
学びのポイント
●男性のみに生じる下位運動ニューロン疾患で,アンドロゲン受容体遺伝子のCAGリピート配列の異常伸長が原因.
●緩徐進行性で,顔面,舌,四肢の線維束性収縮や筋萎縮を呈するが,上位運動ニューロン徴候はみられない.
●治療として黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニストであるリュープロレリン酢酸塩薬が薬事承認されている.
▼定義
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子内のCAGリピート数が38以上に延長している(正常では9~36).原則として男性のみに発症し,下位運動ニューロンと骨格筋変性に伴う随意筋の進行性筋力低下,筋萎縮をきたす.
▼病態
SBMAの病因蛋白質である変異AR蛋白質がリガンドである男性ホルモン(テストステロン)の存在下で核内に凝集することで細胞変性を惹起する.
▼疫学
頻度は人口10万人