診療支援
治療

2 海綿状硬化症(カナバン病)
Canavan disease
中川 正法
(京都府立医科大学附属北部医療センター・病院長)

疾患を疑うポイント

●乳児期早期に精神運動発達遅滞,筋緊張低下,大頭症,痙性,運動失調が出現.

●けいれん,視神経萎縮の出現に注意.

学びのポイント

●乳児期の白質変性症の鑑別疾患の1つ.

▼定義

 Canavan(カナバン)病は,アスパルトアシラーゼ(aspartoacylase:ASPA)の欠損によって,中枢神経系にN-アセチルアスパラギン酸(N-acetyl-aspartate:NAA)が蓄積する白質変性症の1つである.白質のミエリン鞘の空胞化が特徴的である.

▼病態

‍ ASPA遺伝子変異による常染色体劣性遺伝の疾患である.ASPAはオリゴデンドロサイトの髄鞘化に必要な酢酸を生成する.この酢酸の生成低下が白質障害に関与している.乳児期早期に精神運動発達遅滞,筋緊張低下,大頭症,痙性,運動失調が出現する.その後,けいれん,視神経萎縮,睡眠障害,栄養障害が顕在化する.坐位や発語を獲得することなく呼吸器

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