診療支援
治療

8 肢帯型筋ジストロフィー
limb-girdle muscular dystrophy(LGMD)
清水 潤
(東京工科大学医療保健学部教授・理学療法学)

▼定義

 進行性に近位筋優位に筋萎縮,筋力低下を生じる遺伝性の筋疾患.Duchenne(デュシェンヌ)型やBecker(ベッカー)型,顔面肩甲上腕型など特徴的な臨床病理像を有さない筋ジストロフィーにつけられた臨床診断名である.さまざまな臨床像や病理像を示す病型が含まれ,半数以上の症例はまだ原因が不明.

▼分類

 骨格筋遺伝子の変異や発現調節異常により,筋線維蛋白の喪失や機能異常が生じ,筋線維が壊死・変性を起こし筋萎縮と筋力低下が進行する.遺伝形式により常染色体優性(1型),常染色体劣性(2型)に分類される.現在,1型はA~Hの8型,2型はA~Zの26型が同定されている.LGMDのなかでは,常染色体劣性遺伝をとるLGMD2AとLGMD2Bとが多い.その他の多い病型として,筋細胞膜蛋白であるサルコグリカンの各種遺伝子変異によるLGMD2C~2F,ジストログリカンの遺伝子変異によるLGMD2Pが知られ

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