診療支援
治療

1 脊髄性筋萎縮症
spinal muscular atrophy(SMA)
武田 伸一
(国立精神・神経医療研究センタ-・理事)

疾患を疑うポイント

◉Werdnig-Hoffmann病

●生後6か月以内に発症する.

●妊娠中から胎動が少なく,新生児期にフロッピーインファントの状態を呈する.

●坐位保持不能,哺乳困難,嚥下障害,誤嚥,呼吸不全がみられる.

▼定義

 survival motor neuron 1(SMN1)遺伝子の欠失または変異により,脊髄の下位運動ニューロンと脳神経運動核の一部の変性に基づく進行性の筋萎縮,筋力低下を生じる疾患である.SMAは重症度・発症年齢・経過によって4つのタイプに分けられる.Ⅰ型〔Werdnig-Hoffmann(ウェルドニッヒ-ホフマン)病〕は生後6か月以内に発症し,重症型である.Ⅱ型〔Dubowitz(デュボビッツ)病〕は1歳6か月未満で発症する中間型で,Ⅲ型〔Kugelberg-Welander(クーゲルベルグ-ウェランダー)病〕は1歳6か月~20歳で発症する軽症型である.成人期以降

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