診療支援
治療

13 コレラ
cholera
角田 隆文
(菊名記念病院・総合診療科)

疾患を疑うポイント

●浸淫地への渡航.

●発熱のない水様下痢.

●急激な脱水状態.

学びのポイント

●三類感染症である.

●病原体に汚染された水,または食品を介して感染する.海外,特に流行地域へ渡航する際には,生水を飲まない,生または十分に加熱していない魚介類の喫食を避けるなどの注意が必要である.

▼病原体

 コレラ菌Vibrio cholerae O1およびO139のうちコレラ毒素産生性菌.

 世界的流行を繰り返してきた古典型あるいはアジア型コレラ菌は高い死亡率を示していたが,第7次パンデミックとされる現在の流行は,1961年にインドネシアのスラウェシ島に端を発したO1血清型のEl Tor(エルトール)コレラ菌である.さらに1995年以降分離されるのはEl Tor変異型であり,古典型毒素を産生する.

 WHOに報告されている世界の患者総数は,ここ数年20万~30万人だが,推計では100万人を超えるとされる.

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?