診療支援
治療

23 野兎病
tularemia
青木 洋介
(佐賀大学教授・国際医療学講座(臨床感染症学分野))

▼疫学

 好気性グラム陰性桿菌であるFrancisella tularensisによる急性熱性の全身感染症である.野兎やげっ歯類には本菌を保有するマダニが共生しており,これらの動物と直接あるいは間接に接触することにより感染する.

 北米やヨーロッパで広く発生する.わが国では関東以北に多いが,2000年以降の発生報告はない.

▼病態

 本菌を含む野生げっ歯類の屎尿や死骸に直接あるいは間接的に触れたり,保菌動物の解体などの際に,血液や臓器に触れたりすることが感染の端緒となる.感染

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?