2　淋菌感染症 | 医学書院_医療情報サービス

疾患を疑うポイント

●性行為感染症を疑う症状や感染リスクがある場合には，本病原体を必ず想起する．

●女性の場合には無症候のことも多いので，必要に応じて培養検査を行う．

　淋菌(Neisseria gonorrhoeae)に感染することで引き起こされる感染症．

　主に性行為で伝搬するため泌尿器や生殖器への感染が主だが，播種性淋菌感染症のような全身症状をきたすこともある．淋菌はグラム陰性双球菌であり，形態は同じナイセリア属である髄膜炎菌(N. meningitidis)と似ている．

　主に性行為で感染し，全世界で認められている．わが国でも感染症法での五類感染症として定点施設から報告され，流行は継続している．

➊女性に関する泌尿生殖器感染症

1）頸管炎

　無症状で痛みもないことが多いが，膿性の帯下や子宮頸部に分泌物を示すこともある．

2）尿道炎

　頸管炎と合併し，こちらも無症状であることが多