▼定義
ツツガムシ(小型のダニ)に噛まれて感染するリケッチア感染症で,Orientia tsutsugamushi(オリエンティア・ツツガムシ)が病原体である.
▼病態
ツツガムシは地中に生息する幼虫の時期に地上に現れて哺乳動物に吸着するが,病原体を保有する幼虫がヒトの皮膚を刺し感染する.
ツツガムシの種類は地域ごとに異なり,活動時期や保有する菌株も異なる.わが国では6つの菌株が認識されており,Kato,Gilliam,Karp株が強毒株で,Kawasaki,Kuroki,Shimokoshi株が弱毒株である.東北地方に分布するアカツツガムシは夏期に活動し,Kato株を保有する.フトゲツツガムシはGilliam株やKarp株を,タテツツガムシはKawasaki株やKuroki株を保有し,関東や九州で秋から初冬にかけて活動する.フトゲツツガムシの一部は東北~北陸地方で春から初夏にも活動する.