診療支援
治療

3 じん麻疹,血管性浮腫
urticaria,angioedema
猪又 直子
(横浜市立大学准教授・皮膚科)

疾患を疑うポイント

●小児~高齢者のいずれの年齢でも発症しうる.

●じん麻疹は,膨疹,すなわち紅斑を伴う一過性,限局性の浮腫が病的に出没する疾患であり,多くはかゆみを伴う.

●じん麻疹に比べ,皮膚深部ないし粘膜に限局性浮腫が生じた場合は血管性浮腫という.

学びのポイント

●じん麻疹や血管性浮腫の診断は比較的容易だが,適切な治療を行うためには,さまざまな原因が関与することを理解し,病型分類する必要がある.

●致死的リスクの高い病型として,アナフィラキシーを生じやすいアレルギー性じん麻疹と,遺伝性血管性浮腫やACE阻害薬による薬剤性血管性浮腫がある.

●多くの病型の薬物療法の第一選択薬は,非鎮静性抗ヒスタミン薬である.

▼定義

‍ じん麻疹は,膨疹,すなわち紅斑を伴う一過性,限局性の浮腫が病的に出没する疾患であり,多くは痒みを伴う.通常のじん麻疹に合併して,あるいは単独に,皮膚ないし粘膜の深部を中心とした限局性

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