診療支援
治療

(1)顕微鏡的多発血管炎
microscopic polyangiitis(MPA)
川口 鎮司
(東京女子医科大学臨床教授・膠原病リウマチ内科)

疾患を疑うポイント

●比較的高齢者に原因不明の糸球体腎炎,肺胞出血や間質性肺炎がみられる.

●全身倦怠感,易疲労感,発熱などの慢性炎症症状が認められる.

学びのポイント

●全身性血管炎のなかで病変の主座が小型血管にあり,免疫複合体の沈着がない血管炎.

●診断にはANCAが主要検査項目となっている.

●治療としては,副腎皮質ステロイド,シクロホスファミドやアザチオプリン,メトトレキサートなどの免疫抑制薬が必要.

▼定義

 小型血管炎を主な病態とし,抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)陽性となる,ANCA関連血管炎(ANCA-associated vasculitis:AAV)の1つである.ANCAには,MPO(myeloperoxidase)型とPR3(proteinase 3)型の2種類が知られている.日本人では,MPO-ANCAが8

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