診療支援
治療

1 ウィスコット-オルドリッチ症候群
Wiskott-Aldrich syndrome(WAS)
笹原 洋二
(東北大学大学院准教授・小児病態学)

疾患を疑うポイント

●男児のみに発症し,出生直後より血小板減少,湿疹,易感染性を呈する.

学びのポイント

●免疫不全を伴う特徴的な症候群であり,X連鎖原発性免疫不全症である.

●血小板減少,湿疹,多彩な易感染性が3主徴.

●原因遺伝子はWAS遺伝子.

●血小板減少のみを呈するX連鎖血小板減少症の病型もある.

●根治療法は同種造血幹細胞移植.

▼定義

 Wiskott-Aldrich(ウィスコット-オルドリッチ)症候群(WAS)は,血小板減少,湿疹,多彩な易感染性を三徴とするX連鎖原発性免疫不全症であり,原因遺伝子はWASである.血小板減少のみを呈する病型としてX連鎖血小板減少症(X-linked thrombocytopenia:XLT)も同じ原因遺伝子である.

▼病態

特徴的な3つの臨床症状

1)血小板減少

 出生直後からみられることが多く,血便,皮下出血,紫斑が多い

2)易感染性

 易感染性の程度は症例により異

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