▼概説
ナス科タバコ属の熱帯地方原産の植物(Nicotiana tabacum)の名称.葉の成分として嗜癖性の強いニコチンを含んでおり,タバコの葉を原料の全部または一部とし,喫煙用,かみ用またはかぎ用に供しうる状態に製造されたものが法令上の「製造たばこ」である.日本では刻んだタバコの葉をフィルターのついた紙で巻いた紙巻きたばこが大半であるが,2010年以降,加熱式たばこや電子たばこといった新しい形状のたばこ製品も普及している.
日本中毒情報センターに問い合わせのある中毒事故で最も多いのがたばこの誤食で,1歳前後の乳幼児が最も多い.
▼毒性のメカニズム
タバコ中毒の原因物質であるニコチンはアルカロイドの一種で,無色の油状液体で揮発性をもつ.水溶性であり,水溶液は,初めは透明であるが空気に曝露されると次第に茶褐色となる.
紙巻きたばこの製品パッケージに記載されたニコチン量は,1本あたりの煙中に含