【疾患概念】
外傷によって生じる創では,大なり小なり軟部組織の汚染や挫滅を伴っている.そのような創では,局所の挫滅により損傷組織から周辺にかけての微小循環は破綻している可能性が高い.洗浄後一次的に創閉鎖を行ったとしても,創治癒に向けた血管新生は見込めず,最終的には創周囲の組織壊死をきたし,壊死組織から感染が生じて治療に難渋する可能性がある.
汚染・挫滅創のプライマリ・ケアで重要なことは,①徹底的な洗浄・異物除去を行って一次感染を予防すること,②挫滅範囲を見極め,デブリドマンを行って新鮮化を行い,壊死組織による二次感染を予防することである.特に広範囲,深部に至る軟部組織損傷を伴う症例では,局所の血流悪化や感染の発症などにより壊死範囲が拡大して治療が長期化,難治化することもある.そのため,汚染・挫滅創では,その後の再建も含めた軟部組織治療を円滑に行うために,適切なプライマリ・ケアが非常に重要で
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