診療支援
治療

偽痛風
Pseudogout
益田 郁子
(十条武田リハビリテーション病院 部長(リウマチ科)〔京都市南区〕)

【疾患概念および病型分類】

 従来,一般にピロリン酸カルシウム二水和物(calcium pyrophosphate dihydrate;CPP)による結晶沈着症(calcium pyrophosphate dihydrate crystal deposition disease;CPPD)自体は,“偽痛風”(pseudogout)とよばれてきた.これは1961年にMcCartyらが,ウリカーゼで溶けない結晶による急性の痛風様関節炎を「偽痛風」として最初に報告したことによる.しかし以後CPPDはCPP結晶が関節軟骨や周囲組織に沈着し,単純X線像上は関節軟骨石灰化(chondrocalcinosis;CC)を呈し,臨床的には急性・慢性の結晶誘発性関節炎や関節破壊など多様な臨床像をきたす疾患であることがわかってきた.そのため2011年に欧州リウマチ学会がCPP結晶によって生じるさまざまな病態を総称

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