【疾患概念】
脊椎関節炎(SpA)に共通する強直性脊椎炎〔AS;=radiographic axial SpA(r-axSpA)〕の病態は,関節または脊椎の骨に靱帯,腱,関節包が付着する部位の炎症(付着部炎)である.付着部の炎症が二次的に関節炎をきたし,骨破壊や骨新生を惹起し,長期に持続すると非可逆性の関節破壊や強直をもたらす.
【頻度】
わが国のHLA-B27陽性率はきわめて低く(約0.3%),AS有病率は,0.01%と報告されていたが,昨今の検査法や治療の進歩によって,認知度が高まり,SpA全体ではまれな疾患ではなくなった.男女比は3:1~9:1の割合で男性に好発し,発症年齢は40歳未満がほとんどで,罹患率のピークは20~30歳である.
【臨床症状】
症状はSpAの各疾患によって若干異なるが,①関節所見,②関節外所見を中心に解説する.
(1)関節所見
①体軸関節症候(仙腸関節や脊椎の炎症):