診療支援
治療

概説
overview
鬼頭 浩史
(あいち小児保健医療総合センター 副センター長〔愛知県大府市〕)

【疾患概念】

 2型コラーゲン異常症(type 2 collagenopathy)は2型コラーゲン遺伝子(COL2A1)に変異が認められ,X線学的に共通した所見を有する一連の疾患群で,周産期致死の重症例から早発性の変形性関節症を呈するのみの軽症例まで多様な臨床表現型を示す.軟骨基質を構成する2型コラーゲンの異常により軟骨内骨化が障害され,四肢,体幹ともに短縮する.関節軟骨や椎間板の基質も侵され,変形性関節(脊椎)症を発症しやすい.硝子体も2型コラーゲンで形成されるため,網膜剥離などの眼症状を伴いやすい.臨床所見としては四肢や体幹の短縮,顔面中央部の低形成,小顎症などを,X線所見としては脊椎や骨端の異形成を共通の特徴とする.

【病型・分類】

 2019年の国際分類では10疾患に分類されており,主なものを表7-4に記す.そのうち,先天性脊椎骨端異形成症(spondyloepiphyseal dysplasia congenita;SEDC),Kniest骨異形成症,Stickler症候群1型の3疾患は整形外科的に治療介入を要しやすい.軟骨無発生症2型と軟骨低発生症は周産期致死性の重篤な疾患であり,全身の著しい骨化障害を特徴とする.著しい骨幹端変化を伴う脊椎骨端異形成症はSEDCと臨床所見,X線所見が類似しているが,乳児期以降,骨幹端の不整が著明となる.脊椎末梢異形成症では中手骨の短縮を伴った短指(brachydactyly)が目立つ.

【臨床症状・X線所見】

 重症例では四肢および体幹の短縮が著明で,単純X線像にて長管骨骨幹端部の不整(cupping),椎体(特に頚椎)の非骨化,胸郭の著しい低形成を認める.SEDCは体幹短縮型低身長を呈し,樽状の胸郭(barrel chest)や脊柱変形,あひる歩行(waddling gait)を認める.環軸椎亜脱臼を伴いやすく,脊髄症状や麻痺を呈する

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?