診療支援
治療

多発性骨端異形成症
Multiple epiphyseal dysplasia
滝川 一晴
(静岡県立こども病院 医長〔静岡市葵区〕)

【疾患概念】

 原因遺伝子が多様なため表現型も多様である.軟骨基質の微量蛋白質の合成障害により,四肢大関節を中心に管状骨骨端部の異形成が多発する骨系統疾患である.脊椎の変化はない,または軽度である.

【頻度】

 少なくとも1万人に1人の頻度といわれている.

【病型,分類】

 2019年版の骨系統疾患国際分類では,主にグループ10:多発性骨端異形成症および偽性軟骨無形成症グループに分類され,同グループ内だけで5つの遺伝子が報告されている.本疾患は原因遺伝子により表現型が異なる.わが国を含む東アジアでは原因遺伝子としてMATN3が最も多く,次いでCOMPが多い.

【臨床症状】

 主症状は四肢大関節の変形,疼痛,関節可動域制限である.小児期には診断がつかず,成人後に早発性の変形性関節症として診断がつくこともよくある.


問診で聞くべきこと

 家族歴,大関節の疼痛の有無を聴取する.


必要な検査とその所見

 単純X線像で管

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