【疾患概念】
①血管炎(膠原病関連),②炎症性脱髄性疾患,③中毒,④栄養障害,⑤悪性腫瘍,⑥糖尿病などにより生じた末梢神経障害である.
【病態】
上記①~⑥のような原疾患の病態により発症するが,四肢遠位部優位の対称性の手袋靴下型の障害分布(②~⑥の大半の例)や,複数の単神経障害からなる左右非対称性の多発性単ニューロパシーの場合もある(①と②の一部).
【臨床症状】
四肢遠位部優位の筋力低下や感覚障害を認める.
問診で聞くべきこと
内科疾患の既往歴の確認,運動・感覚症状の発症の仕方のほか,食生活,化学物質や薬物摂取の有無を確認する.
必要な検査とその所見
神経伝導検査で神経伝導速度の低下や複合筋活動電位,感覚電位の低下を確認する.
診断のポイント
全身性ニューロパシーが確認されたら内科的原疾患の鑑別を考える.
(1)血管炎性ニューロパシー
結節性動脈周囲炎など各種膠原病は,血管炎による虚血性神経障害を高