診療支援
治療

多発ニューロパシー
Polyneuropathy
石山 昭彦
(国立精神・神経医療研究センター病院 医長(小児神経科)〔東京都小平市〕)

【疾患概念】

 ①血管炎(膠原病関連),②炎症性脱髄性疾患,③中毒,④栄養障害,⑤悪性腫瘍,⑥糖尿病などにより生じた末梢神経障害である.

【病態】

 上記①~⑥のような原疾患の病態により発症するが,四肢遠位部優位の対称性の手袋靴下型の障害分布(②~⑥の大半の例)や,複数の単神経障害からなる左右非対称性の多発性単ニューロパシーの場合もある(①と②の一部).

【臨床症状】

 四肢遠位部優位の筋力低下や感覚障害を認める.


問診で聞くべきこと

 内科疾患の既往歴の確認,運動・感覚症状の発症の仕方のほか,食生活,化学物質や薬物摂取の有無を確認する.


必要な検査とその所見

 神経伝導検査で神経伝導速度の低下や複合筋活動電位,感覚電位の低下を確認する.


診断のポイント

 全身性ニューロパシーが確認されたら内科的原疾患の鑑別を考える.

(1)血管炎性ニューロパシー

 結節性動脈周囲炎など各種膠原病は,血管炎による虚血性神経障害を高

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