診療支援
治療

肩関節疾患のX線診断
X-ray diagnosis of the shoulder disease
谷口 昇
(鹿児島大学大学院 教授)

【概要】

 肩を診察するうえで,画像診断はあくまで補助診断であり,画像所見のみで即手術適応とはならない.しかしながら,正しい画像評価は,より正確な診断をするうえで非常に有力なツールとなる.肩は複雑な解剖学的形態を有しており,肩甲骨はほぼ45°前傾しているので,肩甲上腕関節は決して胸郭の側面と平行ではなく,関節窩も前傾している.そのため,従来のAP像で内外旋位という撮影法では,外傷や肩の病態を検出するうえで不十分であり,True-AP像と軸写,そしてScapula-Y像と3方向からの撮影法を組み合わせることにより,最大限の情報を得ることができる.これらの撮影法は,外傷だけでなく他の肩関節慢性疾患に対しても有効である.


1.基本的な撮影法

【1】True-AP像

 入射角は外側方向に45°傾ける.臥位でも仰臥位でもよいが,臥位では骨頭は上方偏位する傾向にあるので,肩峰骨頭間距離を測定するときは立位撮影

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