【疾患概念】
上腕骨の中央で皮質骨に囲まれた管状の骨幹部で生じる骨折である.
【頻度】
長管骨の骨幹部骨折のなかでは脛骨に次いで頻度の高い骨折である.若年者から高齢者まで幅広い年代で生じるが,20~30歳と65歳以上にピークがある.
【病型・分類】
AO/OTA分類や骨折高位による分類が用いられる.
【臨床症状】
上腕の腫脹,疼痛,変形,肩や肘を動かした際に骨折部で不安定性を認める.
問診で聞くべきこと
受傷機転としてスポーツでの接触や交通事故などによる大きな外力が原因となることが多いが,投球や腕相撲が原因となることもある.手指のしびれ感や冷感,手関節および手指の動かしにくさがないかを確認する.解剖学的に橈骨神経麻痺が合併しやすいが,正中神経麻痺や尺骨神経麻痺もまれに合併することがある.
必要な検査とその所見
まず単純X線写真を撮影し骨折型を判定する.第三骨片や長い骨折線を有する場合には治療法の選択