診療支援
治療

肘内障
Pulled elbow
佐竹 寛史
(山形大学 准教授)

【疾患概念】

 小児における橈骨頭周囲の輪状靱帯や回外筋の嵌頓障害である.親が子の手を引っ張るような牽引による発症は約半数で,さまざまな受傷機転により発症する.

【頻度】

 2歳台が最も多く,正規分布をとり,学童期以降ではほとんどみられない.男女比はなく,やや左に多い.

【病型・分類】

 半数が牽引により生じ,半数は牽引以外の原因で生じる.

【臨床症状または病態】

 前腕は下垂回内位で,患肢を動かそうとしない.局所の腫脹はない.


問診で聞くべきこと

 患児の手を牽引したか,ある

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