診療支援
治療

有頭骨骨折
Capitate fracture
原 章
(順天堂大学医学部附属浦安病院 准教授)

【疾患概念】

 有頭骨は手根骨の中央に位置し,近位の頭部には血管侵入がなく遠位から逆行性に栄養されるため,有頭骨骨折で血流が絶たれると頭部の骨壊死が生ずる可能性がある.

【頻度】

 すべての手根骨骨折の1~2%程度.

【病型】

 約半数は単独骨折である.受傷機転は手掌をついて転倒し手関節が過度に背屈され,有頭骨が橈骨背側縁に衝突し骨折する.

 合併する骨折:橈骨骨折,三角骨骨折,有鉤骨骨折,月状骨周囲脱臼など.

 Scaphocapitate syndrome(Fenton's syndrome):非常に珍しいが発表は多い.高エネルギー損傷で,手関節の過伸展により舟状骨骨折が生じ,次に有頭骨が骨折し,有頭骨近位骨片が90~180°回転する.

【臨床症状】

 手関節背側の腫脹,圧痛.手関節可動域制限などを認める.


問診で聞くべきこと

 受傷時の状況から受傷時の手関節の肢位を推測する.


必要な検査

①単純X線:手関節4

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