診療支援
治療

Preiser病
Preiser disease
西塚 隆伸
(中日病院名古屋手外科センター 副センター長〔名古屋市中区〕)

【疾患概念】

 1910年にPreiserが,外傷後に生じた舟状骨の無腐性壊死を報告したのが始まりである.しかし,これらの症例の大半は舟状骨骨折後の偽関節であったことから,定義に関する混乱を招いた.近年は,非外傷性の特発性舟状骨壊死をPreiser病と呼ぶことが多く,厳密には舟状骨骨折後の壊死と特発性の壊死とを区別すべきである.

【頻度】

 非常にまれな疾患であり,月状骨の無腐性壊死であるKienböck病と比べてもかなり頻度は低い.

【臨床症状】

 患者は手関節の橈背側を中心とした痛みを訴える.いわゆるsnuffboxに圧痛,時に腫脹を認め,手関節の可動域制限も比較的早期から生じる.


問診で聞くべきこと

 まず,仕事や趣味で手関節に繰り返しのストレスが加わっていないかを聞く.また,長期ステロイド治療により血行障害が起きうるため,ステロイド使用歴を聞く.また全身性エリテマトーデス(systemic lu

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