【疾患概念】
塗料,グリース,軽油,ガソリンなどが,ペイントガンなどの高圧噴射により,体内へ注入されることに起因する損傷である.注入部の創は,受傷直後は軽微のように見えるが,内部損傷は重度な場合が多い.特に塗料,有機溶剤は非常に有毒で,外科的治療の遅れは切断または死亡につながる.水または空気の注入でも,コンパートメント症候群を引き起こす.
【臨床症状】
注入直後は無症状であるが,数時間後に腫脹,知覚低下,血流不全を引き起こし,注入された液体に対して強烈な炎症が引き起こされ,激痛を伴うようになる.
問診で聞くべきこと
受傷時間,受傷形態,注入された液体の種類,注入器械の種類を詳細に聴き出す.喫煙歴,飲酒歴,抗凝固薬服用の有無,糖尿病など内科的疾患の有無などについて聴取する.
必要な検査とその所見
①単純X線検査:注入された溶剤の広がりが認められる場合もある.
②CT:単純X線検査と同様,溶剤の広がりを