【疾患概念】
手関節や指の腱および靱帯付着部に塩基性リン酸カルシウム(BCP)結晶が沈着し,急性炎症を引き起こす.
【病態】
中年期でやや女性に多く,急性の局所疼痛,腫脹,発赤を認める.固有指部の屈筋腱内に発症し弾発現象をきたすこともある.
問診で聞くべきこと
感染性疾患や裂離骨折との鑑別のうえで,先行する局所外傷歴の有無を聴取する.
必要な検査
単純X線撮影で石灰沈着を確認する.手関節周辺の石灰沈着では正側2方向に加えて斜位撮影が局在の確認に有益な場合もある.手術加療で沈着した液状石灰を摘出した場合は,偏光顕微鏡によりピロリン酸カルシウム(calcium pyrophosphate dihydrate;CPPD)結晶とは異なり,複屈折性を示さない結晶が確認できる.
診断のポイント
発症前に打撲など軽微な外傷を認める場合があるが,受傷から遅れて痛みや腫脹が急激に顕在化したり,外傷程度に比較し症状が
関連リンク