【疾患概念】
脊髄の内部から外部にかけて発生する腫瘍.
【頻度】
脊髄硬膜内腫瘍の15~20%を占め,上衣腫が最も多く,星細胞腫,血管芽腫が続く.まれに,乏突起細胞腫,脂肪腫,髄内神経鞘腫,海綿状血管腫,転移性脊髄内腫瘍などがある.小児では星細胞腫が多い.
【病型・分類】
WHOの組織学的分類では,grade 1は増殖能力が低く外科切除のみで治癒可能,grade 2は周囲の組織に浸潤するためしばしば再発の可能性がある腫瘍,grade 3は組織学的に悪性所見を示す腫瘍,grade 4は悪性で壊死を起こしやすく予後が非常に悪い腫瘍となっている.
上衣腫はgrade 2に属し頻度は髄内腫瘍の60%と報告されている.40~50歳代,頚髄から頚胸髄に好発する.その他の上衣腫系腫瘍として馬尾に生じる粘液乳頭状上衣腫(grade 1),上衣下腫(grade 1),退形成性上衣腫(grade 3)が存在する.