診療支援
治療

胸肋鎖骨肥厚症
Sternocostoclavicular hyperostosis
佐藤 毅
(能代厚生医療センター 副院長〔秋田県能代市〕)

【疾患概念】

 鎖骨,胸骨,肋軟骨周囲の前胸部を中心に,無菌性に骨肥厚を伴う骨硬化性病変を呈する慢性炎症性疾患である.手掌,足底の無菌性膿疱を主な皮膚症状とする掌蹠膿疱症(palmoplantar pustulosis;PPP)に合併することが知られていて,掌蹠膿疱症性骨関節炎(pustulotic arthro-osteitis;PAO)とよばれてきた.一方,SAPHO(synovitis,acne,pustulosis,hyperostosis,osteitis)症候群は骨関節炎に無菌性膿疱を伴う炎症性皮膚疾患を合併した症候群に対して用いられる名称で,PAOを含む概念と定義され,本症はSAPHO症候群のなかの1つの疾患と考えられている.しかし,最近その病因論などから,PAOとSAPHO症候群は別の疾患概念である可能性も示唆されている.

【発生頻度】

 40~60歳に好発し,男女比は約1:2と

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