【概念】
化膿性と非化膿性の仙腸関節炎がある.化膿性の場合には上気道感染や尿路感染に続発して起こることが多く,起炎菌は黄色ブドウ球菌が多いが,大腸菌による場合もある.結核は漸減傾向にあるが,欧米に比べて多く,結核菌による関節炎の存在を忘れてはならない.
非化膿性仙腸関節炎は,仙腸関節の関節包や靱帯付着部(enthesis)の炎症を起こすenthesopathyで,進行すると関節の強直を生じる.強直性脊椎炎はその代表で,最初に変化するのが仙腸関節とされ,脊椎や股関節などの関節にも炎症を起こしていく.この他に乾癬性関節炎,Reiter症候群,Crohn病,潰瘍性大腸炎,Whipple病,Behçet病を含めた7疾患が血清リウマチ反応陰性の脊椎関節炎(seronegative spondyloarthropathy;SNSA)と呼ばれ,これらも仙腸関節炎を生じる.
【症状】
腰部から殿部にかけての
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