【疾患概念】
化膿性関節炎のなかで膝関節は最も頻度が高い.感染経路は,わが国ではヒアルロン酸あるいはステロイド薬の注入に伴う関節穿刺による直接感染が海外に比べて多く,他に血行感染,関節周囲の感染巣からの波及,開放創や人工関節置換など手術によるものがある.また,超高齢社会を反映し,高齢であったり,糖尿病,肝・腎・心疾患,悪性新生物,ステロイド・免疫抑制薬の内服,関節リウマチ,変形性関節症および結晶性関節症などのリスクファクターとなる併存疾患を有していることが多い.起因菌としては黄色ブドウ球菌が多いが,菌が同定できないこともある.
【臨床症状】
発熱し疼痛と局所の発赤・腫脹・熱感を伴い,膝蓋跳動が陽性で可動域が制限される.しかし,弱毒菌や高齢者,免疫不全患者では,局所の炎症症状に乏しいことがあるので注意する.
問診で聞くべきこと
外傷やステロイド薬あるいはヒアルロン酸注入などの既往歴,併存疾患,薬