診療支援
治療

下腿内弯
Tibia vara
上松 耕太
(市立奈良病院人工関節センター センター長〔奈良市〕)

【疾患概念】

 1歳半~2歳頃までO脚を呈するが,2歳半頃よりX脚に転じ,7歳頃成人に近いアライメントとなり,その標準偏差を超えれば治療の対象となる.下腿内弯はO脚を呈する場合にみられ,脛骨内反・内旋を呈するものである.単純X線で明らかな異常を認めない生理的O脚,脛骨近位内側成長障害のBlount病(図27-4),骨石灰化障害のくる病,軟骨無形成症などの骨系統疾患,外傷や感染後の変形,腫瘍などである.


診断のポイント

 問診では変形の発生時期,処女歩行の開始時期,既往歴など聴取する.Blount病は処女歩行開始時期が一般より早い.ビタミンD欠乏性くる病が再び散見され,食物アレルギーによる食事制限,母乳のみの栄養,日光曝露不足など詳しく聞く必要がある.

 単純X線立位正面像で,骨端,骨端線,骨幹端などの異常の有無を確認し,大腿脛骨角(femorotibial angle;FTA),骨幹端骨幹角(m

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