診療支援
治療

内反小趾
Bunionette
須田 康文
(国際医療福祉大学塩谷病院 病院長)

【疾患概念】

 内反小趾とは,第5趾先端が母趾側を向き(内反),その付け根(第5中足骨頭)が外側に迫り出す状態を指す.無症候例も少なくないが,有症状時は疼痛が主な症状となる.Bunionette(バニオネット),仕立て屋(tailor)が脚を交差する肢位でしばしば同部に胼胝を生じることからtailor's bunionとも称される.

【病態】

 第5中足骨頭が外側に迫り出す骨性の要因として,第5中足骨頭外側の拡大,第5中足骨頭の外側への弯曲,第4中足骨に対する第5中足骨の過度の外反(第4第5中足骨間角の増大)が挙げられる.このような背景のもと,先の細い靴や足幅の狭い靴,ハイヒールを履くことで,突出する第5中足骨頭の外側(ときに底側にも)が圧迫され皮下に滑液包炎を生じ,その表層に有痛性の胼胝を形成することとなる.骨性の要因がない場合でも不適切な靴の使用で内反小趾を生じることがある.開張足による横ア

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