【疾患概念】
足関節の軟骨および関節構成体の退行性疾患であり,関節軟骨の変性や破壊,さらには関節辺縁や軟骨下骨における骨の増殖性変化を特徴とする.二次的な反応として滑膜炎を認める.内反型および外反型の変形性足関節症が存在するが,わが国では内反型の頻度が高い.発症には関節の不安定性が大きく関与しており,捻挫を繰り返す病歴を持つものに発生することが多い.
【臨床症状】
内反型変形性足関節症では,外観上の足関節内反変形と内果関節面に一致した疼痛を認める.症状は荷重時や歩行時に増強し,時に歩行困難を生じることもある.外反型変形性関節症は扁平足に併発することが多く,足部内側縦アーチの低下や足関節外側の疼痛を訴えることが多い.
問診で聞くべきこと
幼少時からの捻挫歴や,過去のスポーツ歴は診断上有用である.荷重時痛や歩行時痛の有無,足関節不安定性の自覚についても聴取する.足関節周囲の骨折の既往についても問診する.
必要な検査とその所見
単純X線足関節荷重時2方向撮影を行う.関節裂隙の狭小化を認めず,骨棘および骨硬化像のみを認めるものをⅠ期,関節裂隙の一部が狭小化しているものをⅡ期,関節裂隙が一部消失しているがその範囲が内果関節面に限局しているものをⅢa期,距骨滑車上面にまで達しているものをⅢb期,関節裂隙の消失が足関節全体にわたるものをⅣ期と判定する.また脛骨軸と脛骨下端関節面のなす角である脛骨下端関節面傾斜角を計測する.日本人の平均値は87.4°であり,本症ではさらに内反しているものが多い.
関節軟骨の変性や隣接関節障害の評価,および手術計画の策定にCTは有用である.この場合も荷重条件下撮影や荷重をシミュレートした撮影方法は,正確な病態を把握するためにも望ましい.以下の疾患を鑑別するため,血液検査や関節穿刺液の結晶分析などを行う.
鑑別診断で想起すべき疾患
外傷性足関節症や関節リウマチ,痛風や
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