診療支援
治療

変形性足関節症
Osteoarthritis of the ankle joint
谷口 晃
(奈良県立医科大学 准教授)

【疾患概念】

 足関節の軟骨および関節構成体の退行性疾患であり,関節軟骨の変性や破壊,さらには関節辺縁や軟骨下骨における骨の増殖性変化を特徴とする.二次的な反応として滑膜炎を認める.内反型および外反型の変形性足関節症が存在するが,わが国では内反型の頻度が高い.発症には関節の不安定性が大きく関与しており,捻挫を繰り返す病歴を持つものに発生することが多い.

【臨床症状】

 内反型変形性足関節症では,外観上の足関節内反変形と内果関節面に一致した疼痛を認める.症状は荷重時や歩行時に増強し,時に歩行困難を生じることもある.外反型変形性関節症は扁平足に併発することが多く,足部内側縦アーチの低下や足関節外側の疼痛を訴えることが多い.


問診で聞くべきこと

 幼少時からの捻挫歴や,過去のスポーツ歴は診断上有用である.荷重時痛や歩行時痛の有無,足関節不安定性の自覚についても聴取する.足関節周囲の骨折の既往についても問診

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら