【疾患概念】
二分靱帯は踵骨前方突起を起始としたV字形の靱帯で,踵舟靱帯と踵立方靱帯の総称である.足関節内反捻挫時に損傷することが多い.両靱帯とも1cm幅,2cm長程度の短い靱帯であるが,特に踵舟靱帯は非常に強靱であるため,受傷時に靱帯の単独損傷を起こすことはまれで,靱帯付着部である踵骨前方突起の(剥離)骨折を伴うことが多い.
【臨床症状】
足関節外果よりやや遠位前方に腫脹と疼痛を認める.踵骨前方突起の骨折を伴うため,同部位の皮下出血が特徴的である.疼痛は受傷後より徐々に強くなり,歩行困難となることも多い.
問診で聞くべきこと
受傷機転(肢位)の確認が重要で2つ存在する.1つは足関節の底屈・内がえしによる受傷であり,もう1つは足関節過背屈での外転強制による受傷である.足関節内反捻挫受傷時には本傷害を念頭に置くべきである.
必要な検査とその所見
圧痛点の確認が重要である.足関節外果先端より1cm下
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