1.Os subfibulare障害
【疾患概念】
腓骨外果下端に存在する小骨によって起こる障害である.その病態は二次骨化中心の癒合不全か,小児期の足関節外果裂離骨折の遺残骨片のどちらかであると考えられている.
問診で聞くべきこと
上記の理由から小児期の捻挫歴は必ず確認する必要があるが,実際には捻挫歴がはっきりしないことも多い.
診断のポイント
10歳以下では外果付着部の軟骨成分が多いために,捻挫の際に靱帯が断裂せずに前距腓靱帯付着部裂離骨折を起こす.この骨片が癒合せずに遺残したものがOs subfibulareの大部分である.したがって骨片と外果の間に動揺性が残存するため,症状としては骨片周囲の圧痛・歩行時痛や,足関節の腫脹や不安定性などを訴える.受傷時は軟骨成分が多いため単純X線では同定が困難であり,成長とともに徐々に巨大化していく.しかし,エコーを用いれば初期の段階から骨片の同定は可能であり,骨片と外果の間の可動性も動的に評価することが可能である(図28-48図).
治療方針
小児の新鮮例で裂離骨片が同定できれば,ギプス固定を4~6週間行うが,癒合率は決して高くなく,実際にそのような長期のギプス固定は困難なことが多い.有症性の陳旧例は足関節不安定症に伴っていることが多く,ブレース固定や腓骨筋筋力訓練などの内反捻挫に対する保存療法を行う.保存療法に抵抗を示すようなら手術が必要であるが,骨接合術は骨片がかなり巨大な場合のみで,多くの場合で切除もしくは部分切除を行い靱帯の修復を行う.
患者説明のポイント
小児の新鮮例の加療に当たっては,しっかり保存療法を行っても骨癒合は得られない可能性が高いこと,いったん軽快しても将来症状が出現する可能性があることなどをあらかじめ説明する必要がある.
2.Os subtibiale障害
【疾患概念】
内果下端に存在する骨端核の副核由来の過剰骨である.発生
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