緊急措置
【1】脱水とは体液量(細胞内・外液量)が欠乏している状態であり,特に細胞外液の主成分である水とナトリウム(Na)が欠乏している状態を指す。
【2】小児は成人に比し体液量の割合が高く,自分で水分がとれない場合(新生児,乳児)は容易に脱水症に陥る。
【3】重症例では循環血液量が低下し低血圧,頻脈,意識混濁症状(ショック状態)などが現れる。この場合には血管を確保し,細胞外液の組成に近い乳酸リンゲル液または生理食塩液(等張液)(100mL/kg)による急速経静脈輸液を行う(表1図)。
診断のチェックポイント
❶病態理解:血清Na値に基づく脱水の種類を知り,病態に応じた補正のスピードを考慮し輸液療法を行う。
■等張性脱水(血清Na 130~150mEq/L):水と電解質〔(Na,カリウム(K)〕が均等に失われたもので,ほとんどの脱水症がこれにあたる。
■低張性脱水(血清Na <130mEq/L):嘔吐や