診療支援
診断

咽喉頭異常感症
Globus Pharyngeus
折舘 伸彦
(横浜市立大学教授・耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

診断のチェックポイント

❶咽喉頭異常感症とは

異常感の訴えは主観的なものであり,「のどがイガイガする」「何か異物があるような感じがある」「何となくつまった感じがする」というものが多く,症状の特徴として痛みを伴わないこと,食事により症状が改善すること,嚥下時は自覚されないことなどがある。症状は間欠的であったり持続的であったりさまざまで,自然経過によって症状の増悪,改善がみられることもある。

問診・視診・頸部触診・喉頭ファイバースコープ検査まで行って訴えに見合うような器質的病変(腫瘍性病変,慢性咽喉頭炎,口腔内乾燥,後鼻漏など)を見いだせないときにつけられる病名である。有病率は不明であるが,外来患者の5~10%を占めるとの報告もある。主観的な症状であるため症状の定量的な評価や重症度の評価は容易ではない。

❷心身症との関連

耳鼻咽喉科領域においての初診患者のうち22.7%が心身症に相当するともいわれ

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?