診断のチェックポイント
●定義:音声障害とは,音質,声の高さ・大きさ,発声努力などの変化により,コミュニケーションを損なう,あるいは声のQOLが低下することをいう。このうち,音質に問題がある場合を嗄声とよび,音声障害のうちで最も多い。
【1】病歴:受診の動機,音声障害の状態,症状発現の契機と経過,随伴症状,社会生活習慣,生活歴,既往歴,服薬の内容などを聴取する。
❶受診動機:患者自身が音声障害を感じているか,他者から指摘されているか,両者か。
❷発症の契機・経過
■先行する上気道炎,喉頭や頸部への外傷,音声酷使,心理的ストレスの有無などを確認する。
■経過として,突然の発症か,徐々に増悪したか,経過中の改善・増悪や日内変動の有無などを聴取する。
❸随伴症状:咳嗽,咽頭痛,喘鳴,嚥下障害などの有無を聴取する。
❹社会生活習慣:誤った発声習慣(誤用),発声にかかわる不適切な行動(乱用)の有無の確認が必要であり