診療支援
診断

側頸部の囊胞性病変
Lateral Neck Mass
鈴木 幹男
(琉球大学大学院教授・耳鼻咽喉・頭頸部外科学)

緊急処置

 リンパ管腫などで,出血,感染により急速にサイズが大きくなり,咽頭内腔へ突出する場合,緊急気道確保が必要になることがある。

診断のチェックポイント

定義

❶側頸部とは,胸鎖乳突筋前縁より僧帽筋前縁までの範囲である。側頸部囊胞性病変の頻度は必ずしも多くはないが,胸鎖乳突筋の下には頸動脈・静脈,その周囲のリンパ節,迷走神経,副神経,交感神経,頸神経などが走行しており,多様な疾患が原因となる。

❷側頸部腫瘤は,1)炎症性,2)先天性,3)腫瘍性に大別できる。このなかで囊胞を呈するものには,感染・炎症性疾患に伴うリンパ節腫大,先天性囊胞性腫瘤,リンパ管腫,悪性腫瘍のリンパ節転移などがある。発症年齢・病歴,部位,視診によりある程度診断がつくことが多い。

【1】病歴

❶いつ気づいたのか,大きさに変化があるか:乳幼児期からであれば,先天性疾患のことが多い(→側頸囊胞,リンパ管腫)。時間経過で大きさに増減が

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