緊急処置
【1】筋を伸展させる:こむら返りが生じた筋をゆっくり受動的に伸展させる。腓腹筋にこむら返りが生じた場合は,膝を伸展させた状態で足関節を徐々に背屈させる。
【2】補水:痛みが軽減したら軽くマッサージを行い,脱水や電解質異常を考慮し,適宜経口補水液などを摂取する。
診断のチェックポイント
●定義:不随意に起こる骨格筋の有痛性けいれんである。こむら返りは腓腹筋(こむら)に生じるcrampを指すが,他の骨格筋で起きた場合にも使われる。
【1】病歴
❶どのような状況でどこに生じたか:ほとんどの良性のものは,運動中,運動後,睡眠中(高齢者に多い)に生じる。腓腹筋以外に大腿,足底部,背部,腹筋,上肢に生じることもある。
❷誘因はないか:筋肉の疲労,脱水および電解質異常を誘因とすることが多い。
❸一過性か:典型例では突然痛みが生じ,数秒から数分間持続する。反復することもある。持続時間が長い,誘因を認めない,複数