[Ⅰ]肝臓
肝臓の正常CT・MRI
【1】CT:肝臓は右上腹部に存在し,単純CTで比較的均一な軟部組織濃度(吸収値)を呈する。肝内には肝実質より低吸収となる門脈・肝静脈が走行しており,これらが肝の8区域の指標となる。
【2】MRI:肝臓はT1強調画像で筋肉よりやや高信号,T2強調画像で低信号を呈する。ただし,MRIでは脂肪抑制画像,拡散強調像などさまざまな撮影法があり,撮像法により肝臓の信号強度は異なることに留意する必要がある。
【3】多時相造影検査
❶CT:肝臓は肝動脈と門脈の二重支配を受けている臓器であるため,CTでは細胞外液性のヨード造影剤を急速に静注して経時的に撮影を行う多時相造影検査(ダイナミックスタディ)により,動脈優位相,門脈優位相,遅延相が得られる。ダイナミックスタディにより得られる血行動態に関する情報は肝腫瘤性病変の診断に有用である。
❷MRI:CTと同様のダイナミックスタディは,M
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